第5回 基本給制度の作り方② 評価付き定期昇給
2024.09.17
前回は賃金表の作り方についてお話ししました。今回はその使い方についてお話しします。
前回、賃金制度には①等級がある、②等級に幅がある、③評価付き定期昇給があるという鉄則があるとお話ししました。基本給表は、評価付き定期昇給を行う際に使用します。
■ 昇給額の算式
まず、昇給額は次の式で決めます。
昇給額=昇給前基本給×成績係数×区分係数×出勤係数×調整係数
ただし、等級の金額範囲の上限を超えては昇給しません。
「係数」という言葉が4つも出てきて複雑な印象を受けるかもしれませんが、何も難しいことはありません。文字通り、ただの「かける数」です。数学の知識などは必要ありません。
表1は昇給額の例です。アリスさん(仮名)は、昇給額=390,000×0.04×1.00×1.00×1.5064で23,500円です。昇給後の基本給は390,000+23,500で413,500円です。どうして諸々の係数がその値になるのかについては、これから説明していきます。
表1:昇給額の例
注: 昇給額は十円未満切り上げ。
神田 靖美 氏
リザルト株式会社 代表取締役
人事制度のコンサルティング会社・リザルト株式会社代表。介護事業所を始め中小企業の人事制度づくりに従事。現在、『高齢者住宅新聞』に『今こそ知りたい介護分野の賃金・評価制度』などを連載中。上智大学経済学部卒業。早稲田大学大学院商学研究科MBAコース修了。