第10回 中だるみの克服
目標管理は「目標設定」「中間運用」「業績評価」という3段階で行います。前回まで目標設定についてお話してきましたが、今回は中間運用についてお話しします。
中間運用は評価対象期間の中間を過ぎた時点で行います。目標の進捗率を算出し、必要があれば目標そのものを追加、削除、修正します。
進捗率の計算
これは目標管理ではなく起業の話ですが、失敗するビジネスプランは、目標を掲げるだけで、進捗状況をチェックするためのマイルストーン(「この日までにこれだけやっておく」というもの)が設定されていないことが多いと言われています(小樽商科大学ビジネススクール『MBAのためのビジネスプランニング』2011年、同文館出版)。
目標管理でも、目標を立てたら最終的な評価のときまで放置しておくのではなく、中間で進捗率をチェックします。
進捗率は次のように計算します。
まず、目標管理における評価点は
評価点=各目標の「達成率×難易度×負荷係数×ウェイト」の合計
です。
中間時点でいったん評価点を算出し、次に進捗率を計算します。
進捗率の計算式は
進捗率=「中間時点での評価点」/潜在業績点
です。
潜在業績点とは、すべての目標の達成率がちょうど100%であった場合の評価点です。
なお、当コラムの第7回「目標管理シートの作り方」でご提供している「【ケアリポ】目標管理シート」」の44行目に「参考:中間業績点÷潜在業績点」という欄がありますが、これは進捗率のことです。
神田 靖美 氏
リザルト株式会社 代表取締役
人事制度のコンサルティング会社・リザルト株式会社代表。介護事業所を始め中小企業の人事制度づくりに従事。現在、『高齢者住宅新聞』に『今こそ知りたい介護分野の賃金・評価制度』などを連載中。上智大学経済学部卒業。早稲田大学大学院商学研究科MBAコース修了。