介護職員処遇改善支援補助金

2024.03.06

 

この2月より介護職員処遇改善支援補助金スタートしています介護職員を対象に、賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として、収入を2%程度(月額6,000円)ベースアップするための措置となっています補助額は、一月当たりの介護報酬総単位数(介護職員処遇改善加算および特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算の金額を含めた総額) に、サース別交付を乗じて計算します

この計算方法であるため、実際には一人6,000円の支給は困難で。理由は、介護職員処遇改善加算などと同様に、月々の稼働率に左右されるからです。加増率が上がれば受給額が増え、下がれば減ります。また、配分する対象職員数の違いでも、一人あたりの支給額は大きく変動します。職員の頭数が増えれば、一人あたりの支給額が減ります。現行のベースアップ等支援加算同様に、その他の職員の処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認めていますその他の職員の範囲は各事業所において判断する事になりますすべての職員に支給する義務は無く、看護職員や相談員など、支給対象の職種は限定していません。本部の人事、事業部等働く介護に従事していない職員の取扱いは、介護報酬の請求事務などを受け持つ本部の事務職員も支給対象とすることが出来ます対象期間は、令和6年2月~5月の賃金引上げ分となっています

取得要件は、2月の時点で、ベースアップ等支援加算を取得している事業所。ただし、4月からベースアップ等支援加算の算定が可能な場合は、先行して2月から支援補助金を受給できる特例が設けられています。受給要件は、令和6年2・3月から実際に賃上げを行っている事業所です。補助金について現行の処遇改善加算等と同じ扱いとするために、2月分の補助金を2ヶ月遅れ又は3ヶ月遅れで、4月または5月に支給しなければなりません介護職員処遇改善加算の支払に合わせることが特に重要で。それは、6月から支援補助金が介護職員等処遇改善加算に転換するからです

新たな処遇改善加算は、従来の支給サイクルを維持します。支援補助金が異なる支給サイクルであった場合は、数ヶ月の未支給の期間が存在してしまうからです賃上げ効果の継続に資するよう、2月分から5月分の賃金改善の合計額の3分の2以上はベースアップとして、基本給又は決まって毎月支払われる手当の引上に充てることが受給要件です毎月支払われる手当では、支給が不安定な、夜勤手当や残業手当、休日出勤手当などは不可で。また、通勤手当や扶養手当、資格手当なども認められません。現実的には、処遇改善手当などの名目での支給が一般的です3分の2以上をベースアップに宛てることで、残りの3分の1未満の部分は賞与などの一時金で支給が可能で介護職員処遇改善支援補助金を受給するためには、処遇改善計画書を提出し、終了後に実績報告を提出する必要があります。提出期限は、Q&Aによって都道府県が適切に決めることとなっています。すでに東京都や大阪府は通知を出していて、その期限は4月初めとされています。現時点では、確定した日付は示されていないようですこの補助金は2月から5月の4ヶ月間だけの支給となっています。6月からは、新たに一本化される介護職員等処遇改善加算に含まれる事になります。5月までは補助金で有るため、利用者の負担はありません。6月からは加算になるため、利用者負担が発生します 

 

 

小濱 道博氏

小濱介護経営事務所 代表
株式会社ベストワン 取締役
一般社団法人医療介護経営研究会(C-SR) 専務理事
C-MAS 介護事業経営研究会 最高顧問

日本全国でBCP、LIFE、実地指導対策などの介護経営コンサルティングを手がける。
介護事業経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。全国の介護保険課、各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター、一般企業等の主催講演会での講師実績は多数。
介護経営の支援実績は全国に多数。