骨太の方針2025が介護事業に及ぼす影響
2025.07.09
6月13日に閣議決定された「骨太の方針2025」が、今後、介護事業所の経営にどのような影響を与えるのかを考えます。
「骨太の方針2025」の最重要テーマの一つは、「物価上昇を上回る賃上げ」を起点とした成長型経済への転換です。介護業界では人手不足解消のため処遇改善が不可欠であり、この方針は公定価格引き上げを通じた賃上げの可能性を示唆しています。今後の介護報酬改定で物価・賃金上昇が反映されることが期待されますが、財政健全化も同時に掲げられており、利用者負担の見直し(自己負担割合の拡大や居宅介護支援の有料化など)も検討される可能性があります。そのため、来るべき報酬改定に備え、賃金体系の見直しやキャリアパスの明確化といった人事戦略を具体的に検討し、従業員エンゲージメントを高める総合的な処遇改善策を講じることが重要です。
小濱 道博氏
小濱介護経営事務所 代表
株式会社ベストワン 取締役
一般社団法人医療介護経営研究会(C-SR) 専務理事
C-MAS
介護事業経営研究会 最高顧問
日本全国でBCP、LIFE、実地指導対策などの介護経営コンサルティングを手がける。
介護事業経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。全国の介護保険課、各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター、一般企業等の主催講演会での講師実績は多数。
介護経営の支援実績は全国に多数。