食事時の声掛けポイントと実践例

2025.02.25
食事編

はじめに

皆さんは「食事」という言葉を聞くと、頭にどんな言葉が浮かびますか?

まず「生命維持のため」と答える方がいるでしょう。「食べないと生きていけない」から「食べる」んだと答える人がいます。その通りですよね。人間の身体は日々新陳代謝を繰り返し、栄養分を体外から吸収する必要があります。また筋肉を動かすなどエネルギーを使う時にも外からの栄養素が必要です。高度な生理機能を整えるためにも食事は人間にとって無くてはならないものなのです。栄養が偏ると病気になってしまったり元気が出なくなることも人生の中で経験しているでしょう。

一方で「食べることは楽しみ」と答える人もいます。友人とおしゃれなレストランで美しい外国料理を楽しむ、旅行先で珍味の郷土料理に舌鼓を打つ、食べることをイベントと考え楽しむ人は多いですよね。

食事とは、味や香り、目で見る楽しさを堪能し、家族、友人など大事な人たちと一緒にコミュニケーションを楽しむそんな場でもあるのです。そうそう、卵焼きを見るとお母さんを思い出すなど、記憶に深く残ることもあるわけです。

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​尾渡順子

​尾渡 順子 氏

介護職として働く傍ら、レクや認知症、コミュニケーションに関する研修講師として全国を飛び回る。2014年、アメリカオレゴン州のポートランドコミュニティカレッジにてアクティビティディレクター資格取得。著作にはレクリエーションに関する書籍の他、「介護現場で使えるコミュニケーション便利帖」(翔泳社、2014)「介護で使える言葉がけシーン別実例250」(つちや書店、2017、監修)「認知症の人を元気にする言葉かけ 不安にさせる言葉かけ」(中央法規出版、2022)など多数。