追加経済対策による月額6000円の処遇改善と物価高騰対策補助金

政府は令和5年11月2日に、追加経済対策を閣議決定しました。介護業界に対しては、介護職への月額6000円の処遇改善策と、事業者に対する物価高騰対策への臨時交付金が積み増しされることとなりました。この介護職6000円増の処遇改善については、先行報道されており、本コラムでも速報として先月取り上げましたが、確定情報となりましたので、次期報酬改定による処遇改善のゆくえとともに、改めて整理してお伝えしたいと思います。
まず、この6000円増の措置は、あくまで補正予算による追加経済対策であり、次期報酬改定とは別であります。次期改定に一定の影響を及ぼすことは確かですが、この政策決定により、次期改定での処遇改善額が6000円増で確定したわけではありません。今回はまず、来年2月より先行して税金による手当となりますので、利用者への負担は生じません。この後、次期改定における改定率の決定は12月ごろとなり、報酬改定における処遇改善額が決定されることとなります。もちろんその結果、6000円増でとどまる可能性もありますが、更なる処遇改善額金がプラスされる可能性は十分にあると思います。
6000円増では十分ではないとの声も多く聞かれていますが、あくまでこの6000円は先行した対応であることを理解すべきであります。現在、次期改定の施行時期をこれまで通りの4月とするのか?診療報酬と合わせた6月とするスケジュールも検討されており、こちらも恐らく、介護も6月改定になる可能性が高まってきています。次期改定では、現在3種類となっている処遇改善関連加算の1本化が予定されており、1本化された新しい処遇改善加算に6000円増は組み込まれる形になると思います。加えて、年末での改定率の決定によるプラスの処遇改善額が決定して、次期改定での処遇改善額が確定することとなりますので、もう少し議論のゆくえに注目してもらいたいと思います。
ただし、事業者の立場とすれば今回の6000円増の処遇改善を受け取るためには、新たに計画書や実績報告書の事務手続きが発生することとなるため、事務負担が増加してしまいます。そうであっても、これだけ報道もされているので多くの職員は期待もしていると思いますので、事業者は対応していくことを前向きに検討していくべきであると思います。同時に、次期改定での処遇改善関連加算の1本化も見据えて、職員への配分の仕方をしっかりと方針を決めていく必要があります。
加えて、今回の追加経済対策では、物価高騰対策の地方創生臨時交付金が積み増しされました。来年に各自治体に交付金が配られることとなるので、各自治体の判断とはなりますが、多くの自治体では介護事業者に対する追加での補助金が設定されることになると思います。来年以降の補助金についても各自治体からの発信をしっかりと確認し、もれなく申請手続きを進めてください。

斉藤 正行氏
一般社団法人全国介護事業者連盟 理事長
現場主導による制度改革の実現に向けて介護及び障害福祉事業者による大同団結を目指す横断型(法人種別・サービス種別)の事業者団体