第3回 発達障害の事例
発達障害とは
利用者や家族と接する中で、「そこまで、怒らなくても良いのに」とか「自分たちの都合ばかり押し付けて、それってわがままじゃないの?」と感じることはありませんか。いわゆる「困難ケース」と感じている事例の場合、困難にしているのは私たち支援者だったりすることもよくあります。「普通はこうだよね」という価値観にとらわれ、知らず知らずのうちに利用者のイライラスイッチを入れていませんか。「困った人」と決めつけた対応をするのではなく、何に困っているのかを理解しましょう。実は「困っていることがうまく伝えられなくて困っている人」なのです。例を挙げると、下記のような場面があるのですが、思い当たることはありますか。では、発達特性について解説していきますので、照らし合わせて「生きづらさ」について考えてみましょう。いわゆる「大人の発達障害」の方たちは、診断がついていない場合や特性はあるけど「グレー」と言われたという方がほとんどです。場合によっては発達障害がベースにあって併存症として「適応障害」「気分障害(うつ病)」「アルコール依存症」「統合失調症」などの診断がついている場合もあります。
山根 俊恵 氏
山口大学 名誉教授
NPO法人ふらっとコミュニティ🄬 理事長
(株)ふらっとCOMM. 代表取締役
精神障害者やひきこもり者が住み慣れた地域で自分らしく生活するための地域支援を展開している団体。
〈執筆書籍〉
「8050問題 本人・家族の心をひらく支援のポイント」 中央法規出版 2024年
「チームで取り組む ケアマネ・医療・福祉職のための精神疾患ガイド:
押さえておきたいかかわりのポイント」(担当:共編者) 中央法規出版 2020年
など多数