第7回 リーダーを育てる「ビジョン」の力
前回のコラムでは、介護現場におけるマネジメントの重要性について整理しました。しかし、「リーダーを育てたいけれど、思うように育たない」と悩む管理職の方も多いのではないでしょうか。介護現場では、"現場を回せる人"は育っても、"人を育てられるリーダー"を育てることは簡単ではありません。では、次世代のリーダーを育てるために、管理職は何を伝えるべきなのでしょうか。そこで今回は、リーダー育成に欠かせない「ビジョン」について考えてみたいと思います。
リーダー育成に必要な「ビジョン」
リーダーを育てるためには、「何をするか」だけでなく、「何を目指すのか」を伝えることが大切です。私が、施設長や管理者向けの研修でよくお伝えするのは、「リーダーを育てたければ、まずビジョンを語りましょう」ということです。
介護現場では、日々の業務に追われ、「現場を回すこと」が優先されがちです。そのため、リーダー育成も、"業務をこなせるようにすること"が中心になりやすい傾向があります。しかし、業務を教えるだけでは、人は主体的には動けません。
「なぜ、このケアを行うのか」
「どのようなチームを目指すのか」
「利用者さんに、どのような暮らしを届けたいのか」
こうした"チームの目的"を共有することで、スタッフは少しずつ自分で考え、行動できるようになります。
つまり、ビジョンとは単なるスローガンではありません。人を育てる「土台」と捉えることが大切です。
次回更新は6月15日(月)
山口 宰 氏
社会福祉法人光朔会オリンピア 常務理事
1979年神戸市生まれ。大阪大学人間科学部卒業後、スウェーデンで高齢者・障害者福祉を学ぶ。大阪大学大学院博士後期課程修了、博士(人間科学)。24歳で全国的に前例のない高齢者総合福祉施設を開設し、常務理事として法人を年商19億円規模へ成長させる。神戸国際大学准教授、大阪大学大学院特任准教授を歴任。大学での教育・研究のほか、経営戦略や人材育成のコンサルティングに携わり、国内外での講演・研修は年間50回に及ぶ。