【施行間近】介護施設の食費・居住費、8月から引き上げへ 一部の入所者が負担増に 物価高で基準額も改定
7月も最終盤でまさに夏本番。いよいよ8月1日から、介護施設の入所者の食費・居住費が引き上げられる。
施行が直前に迫るなか、施設サイドには入所者への丁寧な説明や請求事務の対応などを含め、円滑な実施に向けた備えと最終的な確認が求められている。
今回の改定は、低所得者の食費・居住費を軽減するための「補足給付」の見直しに伴うものだ。
この「補足給付」は、個々の経済状況に応じて入所者の負担限度額を段階的に設定したうえで、国が定める標準的な料金(基準費用額)との差額を介護保険から給付する仕組み。負担限度額は低所得者ほど低く抑えられ、実際に支払う食費・居住費が安く済むように設計されている。
8月からの負担限度額の引き上げは、一定の収入がある所得区分の「第3段階」が対象。「第3段階」は2つに分かれており、以下の要件を満たす入所者が該当する。
- 「第3段階①」=世帯全員が市町村民税非課税で、年金収入などが82.65万円超から120万円以下。預貯金額は単身で550万円以下。
- 「第3段階②」=世帯全員が市町村民税非課税で、年金収入などが120万円超。預貯金額は単身で500万円以下。
※ 年金額の改定に伴い、8月から「第2段階」と「第3段階①」を分ける境界額が、従来の80.9万円から82.65万円へ引き上げられる。
今回、「第3段階①」では食費が1日30円上がり、日額680円となる。ひと月(30日)換算の負担増は900円だ。
一方の「第3段階②」では、食費が1日60円上がって日額1420円になるほか、居住費も1日100円の増額となる。ひと月(30日)換算では食費が1800円、居住費が3000円の負担増となる計算だ。
なお、所得区分の「第1段階」と「第2段階」の負担限度額は、食費・居住費ともに据え置かれる。
※ ショートステイの食費についても、「第3段階①」が日額1030円に、「第3段階②」が日額1360円に引き上げられる。
こうした引き上げは、入所者の負担能力に応じて食費や居住費の支払いを求めていき、制度の持続可能性を高めることが目的。負担のルールを精緻化し、より公平なものへ改善する狙いもある。
政府はあわせて、食費の基準費用額も8月から日額1545円へと100円引き上げる。食材費や光熱費などの高騰を踏まえた措置で、施設経営の安定化につなげたい考えだ。
厚労省はすでに、今回の一連の見直しを分かりやすくまとめたリーフレットを公表。現場の関係者に広く活用を呼びかけている。
提供元:介護ニュースJoint