カスハラで介護サービス拒否、ルール明確化が俎上に 厚労省が報酬改定へ論点提示 審議会では慎重論も
2026.09.08
厚生労働省は来年度の介護報酬改定に向けて、介護従事者を利用者・家族のカスタマーハラスメントから守る施策の強化を検討する。
焦点の一つが、カスハラを理由としたサービス提供の拒否のあり方だ。
例えば訪問介護や居宅介護支援。現行の運営基準では、事業所は「正当な理由」なくサービスの提供を拒んではならないと規定されている。この「正当な理由」の解釈が必ずしも明確でないことが、事業所や保険者が判断を迷う要因の一つになっている。
厚労省は8月末に開催した審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で、こうした運営基準の見直しの是非を論点として提示。利用者に必要なサービスを継続的に提供することの重要性も考慮しつつ、カスハラに直面した事業所が、状況に応じてより柔軟に対応できる方策を俎上に載せる考えを示した。
在宅サービスなどの現場で、介護従事者がカスハラを受けるケースが増えていることが背景にある。
会合の中では、現場の関係者らで構成する委員の意見が分かれた。
「職員の命と安全を守るため、サービス提供を拒否できる『正当な理由』を国として分かりやすく明確に示すべき」「組織的に毅然とした対応がとれるよう、制度によって現場を守る必要がある」
ルールの明確化や厳格な措置を求める声が上がった一方で、「認知症の周辺症状による言動を、安易にカスハラと同列に扱うべきではない」「サービスの提供を拒否された利用者はどこへいけばいいのか」「代替サービスの確保を含め、拒否後にどうするかを明確にしてほしい」など、より慎重な対応を呼びかける委員もいた。
今後、厚労省はこうした意見も踏まえてさらに議論を深め、年内にも施策の方向性を固める方針だ。
提供元:介護ニュースJoint