【結城康博】ケアマネは本当に国家資格か? 名実ともに真の専門職として正当に評価されるために

2026.06.11

政府は4月22日に開催した「日本成長戦略会議」で、家事支援サービスの品質の向上と信頼性の確保に向けて新たな国家資格を創設する方針を打ち出した。【結城康博】

職業能力開発促進法の「技能検定」の職種に位置付け、2027年秋にも第1回試験を行う可能性が高い。

この話題に接すると、ケアマネジャーの資格との比較を考えずにはいられない。先日、厚生労働省で介護保険を所管する老健局の黒田秀郎局長が国会答弁で、ケアマネジャーは国家資格だと明言していた。しかし、介護現場では一般的にそのように認識されていないのではないだろうか?

◆ 更新研修を廃止すべき

私はケアマネジャーの資格を有している(更新はしていない)が、当時の資格証(介護支援専門員証)は石原慎太郎東京都知事の名義で発行されたものだ。

一方で、社会福祉士、介護福祉士の資格も有しているが、それらの資格証は厚生労働大臣の名義で発行されている。私は持っていないが、医師や歯科医師、看護師、薬剤師、理学療法士、歯科衛生士といった医療系の国家資格も、厚生労働大臣の名義で発行されている。

つまり、医療系・福祉系の国家資格の大半は、厚生労働大臣の名義で資格証が発行されているのだ。確かに、ケアマネジャーは現行の法令の解釈において明確に国家資格なのかもしれないが、介護現場の関係者の多くはそう捉えていないのが実情ではないだろうか。

ではどうすればいいのか。ケアマネジャーが国家資格だと言うのであれば、多くの人が納得できるように、都道府県知事ではなく厚生労働大臣の名義で資格証を発行すべきだ。

あわせて、法令上の義務と位置付けられる更新研修を廃止すべきである。周知のように、社会福祉士や介護福祉士、看護師、医師など他の資格において更新研修は義務付けられていない。

なお、更新研修に相当する仕組みが義務付けられている国家資格も一部にある。例えば「キャリアコンサルタント」や「無人航空機操縦者技能証明」がそれに該当する。

ただ、医療系・福祉系の国家資格では基本的に更新研修が義務付けられていない。ケアマネジャーも更新研修を廃止し、他の国家資格と同等に扱うべきと考える。

◆ 言葉だけの応援ではなく制度で示せ

政府が新たに創設する家事支援サービスの国家資格は、どのような扱いになるのだろうか。

現在、家事支援サービスの関連資格としては、公益社団法人日本看護家政紹介事業協会による「家政士」検定(厚生労働大臣認定)がある。衣・食・住の家事やコミュニケーション、ホスピタリティを中心として、介護や子育てを含む生活全体をサポートする技能などを評価する仕組みだ。今後、この仕組みがベースとなって新たな国家資格が具体化されていくとみられる。

これはまだ予測だが、新しい家事支援サービスの国家資格は厚生労働大臣の名義で資格証が発行されるのではないだろうか。高市早苗首相の肝いりで創設される経緯を考えれば、社会福祉士や介護福祉士といった他の国家資格と同等の扱いになることも十分に考えられる。

その場合、ケアマネジャーの資格の扱いが今のままではよくない。ケアマネジャーは必死に頑張って高齢者の生活を支えている。地域にとって欠かせない存在であることは、今や多くの国民が知るところになった。

政府はケアマネジャーを応援すべきで、そのモチベーションを下げるような制度の構造を作ってはいけない。厚生労働大臣の名義で資格証を発行し、更新研修は廃止する。それがケアマネジャーを国家資格にするということではないだろうか。

提供元:介護ニュースJoint